雇用の問題

1.従業員との関係

従業員は企業そのものを支える担い手であり、彼らの士気が企業の業績に直接影響します。従業員が企業に愛着をもち、その能力を最大限発揮できるような労働環境づくりが不可欠です。企業は、労働法規や社会保険の加入等においてコンプライアンスが求められています。経営者が従業員に対して誠実に向き合うことは非常に大切になってきています。

2.解雇に伴う紛争について

雇用の問題の中で、多く見られるのは、企業がどうしても従業員を解雇しなければならなくなった場合のトラブルです。

企業の経営不振、経営規模縮小の必要性から従業員の削減が避けられなくなった場合、解雇の問題と直面します。不祥事を起こしたり著しい成績不良の従業員を懲戒解雇しなければならない場面もでてくるでしょう。これが法的紛争(解雇無効確認の裁判や保全処分あるいは不当解雇を理由とする損害賠償請求の裁判などです)にまで発展することはよくあることです。

そうした場合、本当に解雇理由に該当するのかを慎重に調査、検討する必要があります。解雇理由があるとしても、解雇告知の際、その従業員に対してどのように対応し、理由を説明したのかなど、紛争をこじらせないようにするための事前の対応策も必要でしょう。非常に技術的な問題であり、事前の相談にせよ、トラブルが発生してしまった後にせよ、弁護士などの専門家の存在が不可欠だと思われます。